国内の大手自動車メーカーでも独自の安全技術が続々と開発されている。トヨタ自動車の「ITSコネクト」は、車両搭載のセンサーだけでなく、道路と車両、あるいは車両同士が直接通信することで、死角にある様々な情報をリアルタイムで運転者に知らせる機能だ。
運転中のあらゆる場面で作動する日産の衝突回避システムは、「『セーフティ・シールド』のコンセプトのもと、危険予防から危険回避、危険遭遇後までのトータルな観点で、それぞれのシーンで乗員の安全をサポートし、交通事故による死亡者を出さない社会の実現」(日産自動車広報部)を目指しているという。
マツダは、今年発売予定の最新モデルから「眠気などによるドライバーの異常」を検知する新機能を搭載するという。同社商品戦略本部技術企画部の栃岡孝宏氏が語る。
「我々は、車は人の生活を向上させるもので、運転が健康寿命を延ばすツールになり得ると考えます。そのために『ドライバーの状態を見守る技術』を磨いています。
最新モデルにはドライバーの表情や瞬きの数などで眠気や居眠りを検知、さらに体の動き、車のふらつきなどからドライバーの異常を検知して、車が運転不能と判断すれば自動的に停車(高速道路などでは可能な限り路肩に寄せて安全を確保)させる機能を搭載しました」
事故を未然に防ぐためにも、自らの運転をサポートしてくれる機能について、最大限理解しておく必要があるだろう。
※週刊ポスト2022年8月5・12日号