この10年で、自動車の安全サポート性能は驚くほどの進化を見せている。モータージャーナリストの川端由美氏が語る。
「最近はサポカー(セーフティ・サポートカー)と呼ばれる安全運転機能を持つ車が増えています。様々な先進技術が搭載されているので、高齢者や視野に不安があるドライバーにはぜひ選んでほしいですね。搭載車両のラインナップが各社で年々増えていて、選択肢の幅が広がりました」
そうした最新技術による運転サポートから一歩進んだところに、「自動運転」の世界がある。前出・川端氏が言う。
「今のところ実際に公道を走っている自動運転は『レベル2』の車がほとんどです。これは高速道路上での“セミ自動運転”と呼ばれています」
「レベル2」の車では、高速道路では基本的には運転手がほとんど“何もしない”状態で走行することができる。
「高速道路で自動運転の状況が整うと、走行中のレーンで設定した速度を保って走ったり、先行車の速度に合わせて追尾したり、設定した速度に応じて追い越したりすることは自動で車がやってくれます」(川端氏)
そうした先進機能はメルセデスやテスラ、アウディなどの高級外車だけでなく、日本車でも多くの車に搭載されている。
「スバルの『アイサイト3.0』はレベル2に達しています。設定速度が時速100kmの時、先行車が時速80kmで走っていたら、減速して追尾するのがレベル1。人間に見えない死角までセンサーで検知して自動で追い越すのがレベル2です。さらにアイサイト3.0は地図上で料金所(ETCレーン)の位置を把握して、近づいたら減速していきます。高速道路では“勝手に走っている”のに限りなく近い」