どうして欧州は休みやすい環境にあるのだろうか。
「おそらく、宗教がベースにあるのでしょう。キリスト教では仕事自体が『苦役』なので、苦役は効率よく短時間で済ませ、それ以外の時間を楽しむという考えなのだと思います。感じるのは、誰もが楽しそうに生きているということ。バカンス前日は浮き足立って大変ですが(笑い)、誰もが快く送り出します。オフの大切さを理解しているのです。
日本だと『みんな仕事をしているのに休むなんて申し訳ありません』と罪悪感を持ちながら休む人もいて、100%リフレッシュしたという感じにはなりにくい。もちろん長短はありますが、日本でも、欧州のように考える環境ができてくると、もっと人生が楽しくなりそうですよね」
私たちは、まずはそれぞれの生活スタイルに合った「休養モデル」の実践から取り組んでみようではないか。
(了。第1回から読む)
【プロフィール】
片野秀樹さん/日本リカバリー協会代表理事、理化学研究所客員研究員。「攻めの休養」の重要性について啓発・教育活動を実践。編著に『休養学基礎 疲労を防ぐ!健康指導に活かす』(メディカ出版)がある。
取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2022年8月11日号