ITジャーナリストの三上洋さんは、スマホやパソコンを使う限り、情報漏洩をゼロにするのは不可能と語る。
「健康状態や遺伝情報は、たとえアンケートであっても、答えてはいけません。また、安易に“OK”“同意する”を選択しないこと。私たちから集めたデータを企業がどう使うつもりなのか、一人ひとりが、企業の姿勢を監視していくべきです」
桜美林大学リベラルアーツ学群教授の平和博さんは、ネット広告やSNSが選び出す“偏った情報”の言いなりにならないことが重要だと説く。
「AIが最適化したフィルターバブルは、それ以外の情報から遮断された状態です。そこから抜け出すには、自分とは違った意見を覗き見るのも効果的です。“大嫌い”と思うような人の投稿をあえて読むことで、視野を広げるのです。“AIにちやほやされている”ことを自覚し、それに依存しないようにすることが、AIの支配を止めて、使いこなす側になるための第一歩です」
ビッグデータも、それを分析するAIも、人類がつくり出した人類のための道具だ。権利も自由も、奪われるわけにはいかない。
文/角山祥道 取材/進藤大郎、土屋秀太郎、平田淳
※女性セブン2022年8月11日号