キャリア

「98対9」「30対0」…スポーツの「ボロ負け」経験者がそこから学んだこと

「もう少し何かできることはあったはず」

 東日本出身のSさん(40代/男性)は、高校野球の県予選で大敗したことがちょっとした事件になってしまった。

「私が通っていた高校は、地元では一番の進学校。運動には特に力を入れていませんが、大昔に甲子園に出たことがあるため、野球部は“古豪”と呼ばれており、夏の甲子園の予選にはOBが大挙して観戦に来るのが恒例行事でした。

 しかし我々の代はとりわけ弱く、初戦でコールド負けしたところ、顔も名前も知らないOBが“このザマはなんだ”と怒鳴り込んできて、コーチとつかみ合いの大ゲンカ。その騒ぎが知れ渡ったため、翌年以降、新入部員ゼロが続き、野球部は潰れてしまいました。その後、野球部は復活しましたが、用具を差し入れたり、遠征費を援助してくれたりしていたOB会とは絶縁状態です。

 そうなったのも、元はと言えば我々のせいです。もう少し何かできることはあったはず。終わってから後悔しても遅いという教訓は心に深く刻まれています」(Sさん)

 勝負事はもちろん“勝ってナンボ”だが、全戦全勝で終われる人はまずいないはず。負けを肥やしに出来るかどうかで、その後の人生は大きく変わってくるだろう。

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