家計

「得をしたいわけじゃない」1円でも安く買うために遠くのスーパーに通う人たちの本音

運動不足解消やゲーム感覚など、遠くのスーパーに通う人の理由は様々(イメージ)

運動不足解消やゲーム感覚など、遠くのスーパーに通う人の理由は様々(イメージ)

遠いスーパーに通うようになって運動不足解消

 夫に先立たれ、一人暮らしの70代女性・Bさんは、コロナ禍ですっかり出不精になっていた。そんな状況を打破するきっかけとなったが、自宅からは少し遠いが、安さが売りのスーパー通いだった。

「コロナをきっかけにパートもやめ、ひきこもる日々が続いていました。運動不足からか、疲れやすくなり、家事もやる気が起きない状態でした。このままでは足腰も弱くなるばかりだし、誰とも話さないのはまずいと感じていました。そこで、時間があるのだから、少しでも安いスーパーに行ってみようと思ったんです」(Bさん)

 Bさんは、最初こそ1kmほど歩いただけで疲れていたが、今では往復6kmも平気になった。そしてスーパー通いの結果、体力とともに活力を少しずつ取り戻しつつあるという。

「私にとってスーパー通いは脳の活性化と健康維持。○○スーパーでは半額シールが貼られる時間、××スーパーでは毎週何曜日は野菜が安くなる、△△スーパーは見切り品のお肉が出る時間とか、スーパーごとに取り扱う品物、質の違いなどのデータを、紙に書き出して整理しています。だからスーパーの“はしご”は必須ですね。よく歩くようになって、体調もいい気がします。スーパーの人と話したり、近所の人たちと情報共有するのも楽しいです」(Bさん)

ゲーム感覚でミッション消化

 都内の私立大学に通う20代男性・Cさんは、「1円でも安く買う」行為は、節約というよりゲーム感覚に近いという。

「『特売の肉をゲットしよう』みたいな、ミッションを消化するイメージですね。予定していたものが手に入ると、達成感があります。ただ、ゲームといっても、『見切り品やセール品を狙う“ライバル”に勝とう』という意識はまったくありません。この前、いつも行くスーパーで、よく会うおじさんに、特売の刺身を取られてしまって悔しい思いをしましたが、それは縁がなかったんだな、と割り切ります」(Cさん)

 1円でも安く買うために遠いスーパーまで通う人たちは、節約や効率だけでない“やりがい”も感じているようだ。

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