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相続準備、もめない遺言書づくりのポイントとなる「付言事項」の注意点

遺言書の「付言事項」をどう書くか(イメージ)

遺言書の「付言事項」をどう書くか(イメージ)

 お盆に帰省して、老親と将来のことについて話し合った人もいるかもしれない。そうした中で、将来的に避けて通れない話題が相続だ。話しにくい話題ではあろうが、スムーズな相続のためにはどんな事前準備が必要なのか。相続の事前準備の中でももっとも重要なのは、やはり「遺言書」の作成だ。ただ、実際に遺言書をつくっている人はまだまだ少ない。

 ベリーベスト法律事務所の弁護士・田渕朋子さんが説明する。

「日本公証人連合会によると、公正証書遺言の作成件数は令和3年度で10万6028件。近年は8万~11万件で推移していて、単純比較はできませんが、年間死者数が140万人を超える現状では、少ない印象です」(以下同)

 遺言書には、すべて自分で手書きする「自筆証書遺言」と、公証役場で作成する「公正証書遺言」の2種類がある。

「自筆証書遺言は、手書きする分、記入漏れなどのリスクがあります。もし不備があれば、遺産分割協議をやらなければならない場合もあります。一方の公正証書遺言は公証人が作成するため、不備がある可能性は低い。その分、作成には、仮に1億円を1人に相続させるとすると、5万4000円の手数料のほか、枚数に応じた費用がかかります」

 もちろん、遺言書の内容に細かい希望がある場合などは、弁護士などの専門家に依頼することも可能。

 財産額によっては40万~50万円近くかかる場合もあるが、良心的な弁護士事務所なら、20万円以下で受任している場合もある。

 作成にかかる時間は、公正証書遺言であっても、だいたい1か月前後。預貯金の残高など、財産の内容がわかっていれば、時間も手間もさほどかからない。

「遺言書に必要な『財産目録』は、相続財産にどんなものが、どれくらいあるかを示すもの。これは、2019年に施行された改正相続法により、通帳のコピーなども有効になり、より手軽につくれるようになっています。例えば、不動産の財産目録なら、登記簿謄本のコピーが有効です」

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