盆の帰省で久しぶりに親や兄弟姉妹と顔を合わせるなら、片づけておきたい話題がある。それが将来の「相続」だ。面倒な手続きや書類集めが必要なイメージがあってつい敬遠しがちだが、ズボラな人でも無理なく盆休み期間でこなせるように、相続の話し合いで「これだけは準備しておく」という必要最小限の備えを解説していく。
相続は“とにかく面倒そう”と敬遠してきた人は、具体的に何から始めるべきか。
「今まで何もしてこなかったズボラな人は、相続税がかかるかどうかだけでも確認しましょう」
そう語るのは、夢相続代表で相続実務士の曽根惠子氏だ。
「覚えておきたいのが、基礎控除を超えなければ申告などの手続きは不要だということ。相続を経験した人の9割には、相続税が発生していません。まずは、“申告しなくていいか”を確認しておくのです。10か月の期限を気にしなくていいとわかれば、慌てずに済みます」
相続税には基礎控除があり、「3000万円+法定相続人×600万円」までの財産は課税されない。その控除額の範囲内に遺産総額が収まるなら相続税がかからず、申告手続きも不要となる。
「例えば妻と子2人の場合、遺産総額が4800万円までは相続税がかかりません。それを超える部分に対して、1000万円までは10%、3000万円までは15%といった累進課税が適用されるのです」(曽根氏)