相続税が発生しそうなら、生前贈与や不動産対策も検討項目となる。それゆえ、財産の全体像を早めに確認することが重要といえる。財産の調べ方のポイントについて曽根氏はこう解説する。
「財産は大きく3つの項目を調べます。まずは『不動産の評価』、次に預貯金や株といった『金融資産』、そして忘れてはならないのが『借金』です。ローンの残債や事業の借り入れといった借金も、相続財産に含まれます(ただし、住宅ローンの残債は団体信用生命保険に加入していれば返済不要になる)」
これら3つは全体の財産のなかでも重要な要素なので、早めに把握することが大切なのだ。行政書士でファイナンシャルプランナーの柘植輝氏が言う。
「後で小さな財産が出てきても遺産分割協議や相続税申告にはそれほどの影響が出ないので、まずは大きな財産を把握することです。また、具体的な預貯金額や株式の数などは後回しでいいので、大体の金額だけを押さえましょう」
預貯金額は銀行の通帳から、不動産の価値は毎年送付される固定資産税の通知書を見れば大まかに把握できる。
※週刊ポスト2022年8月19・26日号