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相続でもめやすいケース「財産がほぼ持ち家だけ」「先祖代々受け継いできた不動産」

生前にやっておくと相続が格段にラクになる手続き

生前にやっておくと相続が格段にラクになる手続き

先祖代々受け継いできた不動産がある

 山や土地あるいは地方の実家など、先祖代々受け継いできた不動産がある場合、相続の際に“地雷”が潜んでいるケースがある。吉澤氏が語る。

「親が亡くなった時にいざ不動産を引き継ごうとしたら、実は亡くなった祖父や曾祖父の名義のままで放置されていることがあります。

 その場合、名義変更のためには関係者を集めて話し合い、全員から同意を得た上で遺産分割協議書に実印をもらわなければなりません。祖父の兄弟や子供たち、さらには孫など権利を持つ人がネズミ算式に増えて、印鑑が80個必要だったという事例も聞いたことがあります」

 こうしたトラブルを防ぐためには、帰省した際に親と一緒に登記簿を確認し、共有名義となっている場合は名義変更を済ませておくことが重要だ。

 これまで、相続登記は義務ではなかったので、故人名義のまま放置されている不動産が全国に大量にある。2024年4月からはそれが義務化され、原則として3年以内の相続登記が義務となり、違反すれば10万円の過料を科される可能性がある。

 親が生きているうちに面倒なことを済ませておいてもらうのは、自らを守ることに繋がるのだ。

※週刊ポスト2022年8月19・26日号

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