ターボエンジン追加で走りも楽しめる
さて今回はもっとも大きなセールスポイントはターボモデルが新設されたことです。これまでは「女性ユーザーが主体」と言うことでハイパワーモデルのターボがありませんでした。ところが、その設定に対して「もっとパワーが欲しい」、「女性だってスポーティに走りたい」という声が上がったことによる対応だそうです。当然、ターボモデルは女性たちにも歓迎され、こちらも反応はいいようです。
走りのほかにも買い物帰りやテイクアウトの荷物で両手がふさがった状態でも快適な乗降を実現した両側パワースライドドア。軽自動車初の保温機能付き「ホットカップホルダー」、シフト操作に連動したパーキングブレーキの作動や、アクセル操作によって解除できる電動パーキングブレーキ、ワイヤレス充電機能Qi(チー)など、かゆいところに手が届くような装備をたっぷりと用意してあります。
さらにダイハツの予防安全機能「スマートアシスト」をより進化させました。最新のステレオカメラの搭載により、衝突警報機能や衝突回避支援ブレーキ機能を、夜間の歩行者検知と追従する2輪車検知に対応させています。同時に検知距離、対応速度の向上を実現。ブレーキ制御付誤発進抑制機能やACC(アダプティブクルーズコントロール)なども含め、最新の安全運転支援システムなど、満漢全席状態です。
見た目の変化は少なくとも「ストライプス」と「セオリー」の差別化を行った上でターボのないノーマルエンジン車(NA車)とターボエンジン車、2WDと4WDなど、かなり多彩な組み合わせができるようになったわけです。価格帯でみると価格は、NA(自然吸気)エンジン車が149万6000~179万8500円、ターボ車は179万3000~191万9500円。選択の幅がより大きくなったことで、お買い得感のある1台が見つけやすくなったはず。
そして7月5日の発表後、約1ヶ月を迎えた時点で、新型キャンバスの受注台数は月販目標台数(6,500台)の4倍となる約26,000台となりました。相当に好調な立ち上がりですが、今回のフルモデルチェンジに対する、取りあえずの回答ということになります。
いつも軽自動車に乗ると思うことがあります。これだけコンパクトで走りも装備も満足できるほど良くできた軽自動車を、SDGsの担い手のひとつとして考えられないものだろうか?と。日本だけにとどめておくのはもったいないと思うのですが……。
【ダイハツ ムーヴ キャンバス・ストライプスG/FF】
全長×全幅×全高:3,395×1,475×1,655mm
車両重量:870kg
最低地上高:150mm
最小回転半径:4.4m
エンジン:水冷直列3気筒DOHC 658cc
最高出力:38kw(52PS)/6,900rpm
最大トルク:60Nm(6.1kgm)/3,600rpm
WLTCモード燃費:25.7km/L
車両本体価格:1,798,500円(税込み/ストライプスG・FF)
問い合わせ先:ダイハツ 0800-500-0182
【プロフィール】
佐藤篤司(さとう・あつし)/自動車ライター。男性週刊誌、ライフスタイル誌、夕刊紙など一般誌を中心に、2輪から4輪まで“いかに乗り物のある生活を楽しむか”をテーマに、多くの情報を発信・提案を行う自動車ライター。著書『クルマ界歴史の証人』(講談社刊)。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。