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氷は「家で作るもの」から「買うもの」へ 製氷機・製氷皿を使わない人たちの事情

地味に不便? 製氷皿(イメージ)

地味に不便? 製氷皿(イメージ)

氷がキムチくさくなりウンザリ…

 製氷皿を使っていたが、氷を買うようになった人もいる。IT企業に勤める30代男性・Bさんは、製氷皿の扱いが苦手だったという。

「製氷皿って意外と場所をとるのに、1回で10個くらいしか氷が作れないのが不満でした。しかも、製氷皿を冷凍庫に運ぶ際に、どうしても水をこぼしてしまう。とはいえ、氷は自宅で作れるものだから、さすがに買うのはもったいないな……と思っていたんです」(Bさん)

 だが、ある夏の日に作った氷の“におい”が決定打となり、それ以降、Bさんはずっと氷を買っているという。

「冷蔵庫に入れたキムチの容器の蓋が開いていたようで、そこから氷にキムチやにんにくのようなにおいがうつってしまって……。炭酸水に氷を入れて飲んだら変なにおいがして、パニックになりました。この“キムチ氷”事件がトラウマで、氷は買う派になりました。水を製氷皿に入れて凍らせて……と、地味に面倒な作業からも解放されました」(Bさん)

買った氷はお酒との相性が抜群

 家飲みが増えたことで氷を買うようになった人もいる。印刷会社に勤務する30代男性・Cさんが語る。

「家飲みには“ちょっとした高級感も必要”と言い訳して、普段は買わない氷を買ってみたんです。そうしたら自宅の冷蔵庫で作った氷と比べて、買った氷の方が格段においしかった。色も透き通っているし、お酒との相性が抜群でした。氷にお金を使うなんて、無駄遣いだと思っていましたが、考え方が180度変わりました」(Cさん)

 思えばかつては、水道の水があるし、家でお茶も作れるので、「わざわざ水やお茶を買うのはもったいない」という人も多かったのではないか。それがいつしか当たり前のように購入されるものに変化した。氷についても同様に、家で作るものから買うものに変化しつつあるのかもしれない。

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