相続税対策の大原則は、「財産を減らすこと」+「資産の評価を下げること」にある。課税資産総額を減らすことで税額を抑えることができるからだ。
不動産関連では特例があり、活用するかどうかで相続税額が大きく変わることがある。親の自宅を相続するのなら、小規模宅地等の特例を使えるか確かめるとよい。夢相続代表の曽根惠子氏が語る。
「この制度は、亡くなった人が住んでいた土地を配偶者や同居家族が相続する場合、330平米までなら本来の評価額より8割減額された額で相続できるというものです」
この特例を受けるには、同じ家屋に同居していることが必要となる(配偶者は無条件に受けられる)が、この“同居”という条件に注意が必要だ。
「被相続人が老人ホームへ入居してしまうと元の家で暮らしている家族が同居に当たるかどうかの線引きが難しい。老人ホームタイプにより判断が変わるためです。
例えば、入居金に何千万円も支払って住まいにしてしまうタイプの老人ホームに被相続人が入る時は、元に住んでいたところは自宅扱いではなくなり、そこに住んでいる家族は同居には当たらなくなる。同様に介護のために実家に戻っている場合などでも、同居と認められないことがあります」(曽根氏)
これらの特例を使う場合、条件をきちんと整えることが大事だ。
「税の制度は複雑で、特例が使えると思っていたのに相続時などに使用できないことが判明して、多額の相続税を支払うこともある。早めに専門家に相談して使える状況にしておくのがよいでしょう」(同前)
正しく制度を使うことで負担は減らせるのだ。
※週刊ポスト2022年9月2日号