買い物を頼めば自分の分だけ購入し、洗濯機には柔軟剤を入れ忘れる。掃除に至っては、ルンバのスイッチの入れ方すら知らない……家事をやる気はあるけど、そのスキルが低すぎて妻を苛つかせる夫は少なくないようだ。
結婚15年目を迎える会社員の山川知美さん(46才、仮名)は、夫に初めて洗濯を頼んだときのショックをこう振り返る。
「タオルや衣類を洗濯機に入れ、スイッチを押すところまでは順調そうに見えたけれど、いざ洗い上がってみると『いつもと違ってなんだかごわごわするけど、水質が変わったのかな? それとも洗濯機が壊れたのかな?』と首をかしげている。よくよく聞いたら、洗剤しか入れてなかったんです。柔軟剤の存在を知らなかったようで、本当に驚きました」
洗い上がった洗濯物の干し方で夫婦関係に亀裂が入ることもある。小川さんが言う。
「友人の夫の話です。洗濯を快く手伝ってくれるのですが、何でも洗濯ばさみで1か所だけつまんで干すくせがある。お気に入りの洋服がしわになったり、変な形がついてしまったりして困っているとこぼしていました。
1週間入院しなければならず、その間夫に洗濯を任せることになった別の友人は、退院して帰宅したら、ご近所さんからまる見えのところに、自分のパンツとブラジャーが堂々と干してあって腰を抜かしたそうです。『もしかして、毎日こうやって干してたの?』と恐る恐る尋ねた妻に、夫は得意げに『もちろん! いちばん日当たりのいいところで乾かしたよ』と話したとか……」