新郎新婦の新たな門出を祝う結婚式。友人や職場の同僚による余興、家族の絆や新郎新婦の思いが伝わる演出など、主役の2人のみならずゲストもまた心を打たれるもの。そんな結婚式への招待状が届いたら、万難を排して参加するのが当たり前と考える人は多いかもしれないが、欠席という選択をする人もいる。そこには結婚式より優先すべきことがあったのか? 結婚式を自分の都合で欠席した経験のある人たちに、事情を聞いた。
「心から祝福したい人」の結婚式に行きたい
「親しい人なら喜んで出席しますけど、あまり親しくもない人から招待を受けるのは、ちょっと面倒なんですよね……。実際、先日、コロナを理由に欠席の返事をしたばかりです」
そう赤裸々に語るのは、メーカーに勤める30代女性・Aさんだ。
「結婚式に出席するとなると、出費と手間がすごいじゃないですか。まずご祝儀のほかに、何を着ていくか、ヘアメイクはどうするとか、遠方なら交通費や宿泊費もかかる。一日仕事になってしまいます。心からお祝いしたい人に対しては、いくらでもできますが、『なぜ呼ばれているのかわからない』程度の関係性の人とか、『人数合わせ』が透けてみえるような式だと、欠席するのも許してもらいたいです」(Aさん)
そんなAさんが、初めて結婚式を欠席したのは、20代後半の頃。『ご祝儀要員』扱いされたことに憤慨したことがきっかけだった。
「大学で仲の良かった男子が結婚するというので、居酒屋で飲んでいる時に、式場や料理についての話を聞いていた時のことです。彼が、『料理にメロンをつけたら1人○千円アップしちゃうから、メロンはなしにしようと思うんだよね。そうしたら○人来たとして、ご祝儀で披露宴の費用がペイできるから』みたいな話をし始めたんです。ドン引きじゃないですか? もちろん、収支はあると思いますよ。でも招待しようとしている人の前で、そういうことはマナーとして言っちゃいけないでしょって思って、後日、欠席の返事をしました。
ちなみに彼は、余った引き出物のペアビアグラスを売りつけようとしてきて、それも断りました。ケチなヤツは、そもそも披露宴なんかするな、って話ですよ」(Aさん)