東京・港区の麻布界隈では「麻布妻」と呼ばれる富裕層と結婚した女性が数多く住んでいる。しかし、中には離婚を選び、新たな一歩を踏み出すケースも。ライターの高木希美氏が、年収4000万円の男性と離婚した女性のケースをリポートする。
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元・麻布妻の菜々美さん(仮名・30代前半)は、小さい頃からお母さんに「男は経済力よ」「結婚は経済力よ」と耳にタコができるほど教え込まれたそうです。過保護で温室育ちの彼女はお嬢様学校へ進み、母の教え通り、「エリート」「ボンボン」しか眼中にない女性になりました。
28歳で結婚した相手は慶應卒、コンサル勤務、留学経験あり、そして年収4000万円の超ハイスペック。しかし彼女は、離婚しました。いまは港区ではなく、東京郊外に住んでいます。彼女に何があったのでしょうか。
「前の夫は、ボンボンではなく、いわば雑草精神で成り上がった人。ガツガツした感じで、彼のパワーがあれば絶対にどんなことがあっても生きて行けるだろうっていう生命力を感じて、そこに惹かれたんです。でも、家庭を築く上で必要なのは『安心感』で、『刺激』ではなかったんですよね」(菜々美さん・以下同)
付き合っている頃や結婚当初は、記念日のたびに「ティファニー」か「シャネル」。ケンカをすれば仲直りのしるしに「ルイ・ヴィトン」の財布。物質的に愛情を示してもらう生活に、「写真映えのする幸せ」は感じていたそうです。