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「10年で2倍」のウォーターサーバー市場 コロナ禍が後押し、災害対策にも

「ひとつはコロナ禍のおうち時間の充実があると思います。リモートワークにより自宅で過ごす人が相当増えたので、オフィスのウォーターサーバーで飲んでいた人が自宅に置こうと思ったり、自動販売機やコンビニで飲み物を買っていた人は自宅だとわざわざ買いに出かけるのは面倒だったりというのがあると思います。飲み物をつくるとき、そのたびにお湯を沸かす必要がないのも選ばれている理由でしょう。

 それからゴミが減らせることも挙げられます。社会全体がプラスチックゴミ削減だ、SDGsだという話になってきていますから、ウォーターサーバーだとペットボトルのゴミが格段に減らせる点が注目されています。

 あとはやはり災害対応ですね。ウォーターサーバーを設置していると常に10リットル以上の水が備蓄されている状態になるはずなので、災害で水道が止まっても安心といえます」

 水道水の浄水技術が進んだにもかかわらず、こうしたウォーターサーバーの需要が衰えないということは、サーバー自体の利便性が受け入れられている面があるだろう。まず重い水を運ぶ必要がないし、冷蔵庫にペットボトルを入れておく必要がないから庫内のスペースを圧迫しない。

 赤ちゃんがいればミルクをつくるときにもお湯を沸かす必要はなく、温度調節されたサーバーのお湯をすぐに使える。昨今、人気の炭酸水メーカーで炭酸水をつくるときに「どうせならミネラルウォーターを使いたい」と考える人も少なくないようだ。

 最近のサーバーの中には浄水機能を備えて水道水を使えるものが出てきていたり、サーバー内の水の残量を自動で把握し、少なくなったらボトルの水を自動発注するようなIoT(モノのインターネット)を駆使したサーバーもあり、消費者のニーズに沿った細かなサービスが登場している。

 コロナ禍が終息しても、環境問題と災害対応は今後もずっと続く課題であるから、まだしばらくはウォーターサーバービジネスの活況は続くのではないだろうか。

◆取材・文/岸川貴文(フリーライター)

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