何気ない言葉で相手を怒らせたり、逆に傷つけられたり……。自分の思いを会話で伝えるのは難しいもの。でもちょっとしたコツを踏まえれば、誰でも人に好かれる会話ができるのだという。コロナ禍で人と会う機会が減り、会話のコツを忘れたあなたも試してみてはどうだろうか。
会話上手の条件は聞き上手&観察上手
「自称会話上手に、真の会話上手はいないものです」とは心理学者の内藤誼人さんだ。というのも、会話上手とは、そつなく、途切れることなく話ができる人ではなく、聞き上手を指すからだ。
「人間は本来、“しゃべりたがり”。会話で相手を困らせたり怒らせたりしてしまう原因は、言葉や話題選びの失敗ではなく、この“しゃべりすぎ”にあるんです。一方的に話されると、聞き手は退屈してイライラしてしまうというわけです」(内藤さん・以下同)
常に聞き手に回ることと、相手をよく観察することが、会話上手への近道なのだ。
「相手を観察すれば、話題選びに事欠きません。たとえば、犬のキーホルダーをつけていたら犬の会話が喜ばれるかもしれない。話題をふってみて、相手が喜々として話し始めたらしめたものです」
「家族と会話がない」「夫が話を聞いてくれない」などと嘆く人がいるが、これも“しゃべりすぎ”と原因は同じ。
「相手の関心事を無視して、自分の話したい話題ばかりをふっているのではないでしょうか。家族なら好きなテーマがわかるでしょうから、それを選べば、会話は弾むはず。話を聞いてこそ、相手もあなたの話を聞く気になってくれるというものです」
笑いのパターンを知り愛されキャラに
さらに一歩上の会話術として、すべらず、楽しく、その場を和ませる方法をレクチャーしてくれたのは、ネタ作家の芝山大補さんだ。笑いにはパターンがあり、それを踏まえれば、誰でも簡単におもしろい会話ができるという。
「笑いの基本は、相手の期待を裏切ること。たとえば、『フリオチ』という方法があります」(芝山さん・以下同)
これは、自分でネタをふって自分でオトす技で、ダチョウ倶楽部の「押すなよ」芸がそれ。「押すなよ」と相手にふり、結局真逆のオチで落とされるというものだ。
「おもしろい会話をするには、自分だけがウケようとしてはダメ。その場を盛り上げようという気持ちが大切です。ですから、おもしろい人を目指すのではなく、愛されキャラになることを心がけましょう。そのためには、たとえ嫌なことを言われても、真っ向から拒否せず、笑いで返したり、他人事のようにボケるのがおすすめです」