中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

ムダに見えて役に立つ?「職場の飲み会」ばかりやっていた時代とその意義

仕事を一緒にやる仲間とのコミュニケーション

 連日の飲み会をしていた当時は、その時に担当していた仕事に関する相談をするほか、自身のキャリアについて先輩に相談したりといったやり取りがありました。そしてある日の午前3時、飲み屋を出たところで女性の先輩がこう言いました。

「私がこんなに毎晩皆さんと飲んでいるのは、実は離婚したからです。皆さんには伝えたかった」

 かくして我々は「大丈夫ですよ、ワシらがいますので、これからも仕事を楽しみましょう!」とやるのですね。

 会社員時代に同僚たちとこれだけお酒を飲んでいたわけですから、フリーになってからも、そのスタンスは変わりません。とある出版社に週に何度も通っていた時期があったのですが、その会社の人とも何度も何度もお酒を飲み、ネットニュースをいかにして発展させるか、といった話を毎度していました。結局、社会人にとって一番大切なのは「仕事」なわけであり、それを一緒にやる仲間とは密にコミュニケーションを取った方がうまくいくんですよ。

 いちいち「仕事とプライベートは分けて考えています。キリッ」とやるのはカッコイイと思うかもしれませんが、その姿勢を貫くと案外回り道をせざるを得ないことがあるのでは。私は仕事仲間との飲み会で困りごとや悩みを打ち明け、人生がその後開けたことはかなり多いです。

 あんまり「仕事の飲み会は無駄」とか、頑なにならないでもいいと思います。何せ成功している経営者や著名人って、飲み会ばかりやってるじゃないですか。これが事実ですよ。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『よくも言ってくれたよな』(新潮新書)。

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