値上げラッシュが続くなか、スーパーなどでの会計の際に物価高を実感する人は多いのでは? 給料は上がらず支出ばかりが増える今、一体どのように家計をやり繰りしたらいいのか。『細野真宏のつけるだけで「節約力」がアップする家計ノート』の著者で、家計管理のプロである細野真宏氏が、消費者代表のくまちゃんとの会話形式で解説する。注目すべきは「固定費」だという。【全4回の第2回。第1回から読む】
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細野氏:そもそも家計の出費については、日常の買い物で出ていく「生活費」と、電気代やガス代などのように1か月単位で出ていく「固定費」の2種類があるんだ。そして「家計管理」で効果が大きいのは「生活費」ではなく「固定費」の方なんだよ。
例えば、日々の買い物で、1円でも安い商品を探し求めて歩き回る場合、1円安い商品を毎日買うことができたとしても1か月では、わずか「30円程度の節約」に成功するだけだよね。
一方で、月々の「固定費」の場合は、例えば毎月の支払いを見直して1000円安くすることができたのなら、1年間では自然と1000円×12か月で1万2000円の節約に成功することになるんだ。
くま:なるほど。日用品の多くが値上がりしている時は普段の買い物では差が出にくい状態になっているんだね。ただ、月々の固定費の場合でも、電気代やガス代などはどんどん値上がりをしているのに、どうやって見直せばいいのかな?
サブスクは電気代やガス代と同様には考えない
細野氏:確かに電気代やガス代は全体的に値上がりしているから、契約している会社を替えたりしても限界があるよね。そこで重要になるのは、「すぐには頭に思い浮かばないモノ」を考えてみることなんだ。例えば、今だと「コロナ禍」で生活習慣が大きく変わった状況だから、ここに大きなヒントが隠れていることが多いんだよ。
世界中で「コロナ前後で大きく変わった習慣」に「サブスクの普及」があるよね。この「サブスク」は「サブスクリプション」の略で、「一定期間の使用許可」のことなんだ。具体的には「月々の利用料を支払う」ことによって、映像コンテンツや音楽、雑誌などを、その期間、自由に利用できる権利を買っているものなんだよ。