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気象予報士・蓬莱大介さんが「台風」を解説 “教科書通りでない動き”の頻度高まる

ラニーニャ現象で西寄りの進路に

『ラニーニャ現象』、『エルニーニョ現象』というのは、太平洋赤道付近の海水温が東側や西側で平常より偏って高くなったり低くなったりし、世界中に異常気象を及ぼす現象のことをいいます。今年は『ラニーニャ現象』により、太平洋西部の海水温が偏って高く、そこでの上昇気流が日本の南で下降し、太平洋高気圧を強めています。台風はその縁を回って平年よりも西回りで強まりながら日本にやって来やすいので、要注意です。

ジグザグ、ブーメラン……年々進路がイレギュラーに

青い線は9月初めに接近した台風11号の進路(出典/気象庁HPから引用し、加工)

青い線は9月初めに接近した台風11号の進路(出典/気象庁HPから引用し、加工)

 別掲の図は、9月初めに接近した台風11号。東からの太平洋高気圧の縁を回り沖縄方面へ向かうも、沖縄付近で今度は西からの高気圧に押されて南へ。その後、高気圧が弱まり沖縄で停滞するも水蒸気で燃料補給されたため、強い勢力となってゆっくり北上しました。こうしたブーメラン型やジグザグ型、変速的な進み方をする台風が、この10年で頻発しています。進路の理由を解説できても、なぜ近年特に目立つのかはまだよくわからないことも。地球温暖化の影響かも!?

第3回につづく第1回から読む

【プロフィール】
蓬莱大介さん/気象予報士・防災士。『情報ライブ ミヤネ屋』をはじめ、『かんさい情報ネットten.』『ウェークアップ』など読売テレビで気象解説を務める。得意のスケッチ予報をまとめた『蓬莱さんのスケッチ予報CALENDAR 2023』が10月1日に発売される。

取材・文/辻本幸路

※女性セブン2022年9月29日・10月6日号

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