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頻発する異常気象は本当に温暖化のせいなのか? 気象予報士・蓬莱大介さんが解説

台風が来たらすぐ実行したい避難の心得

台風が来たらすぐ実行したい避難の心得

“自分だけは大丈夫”という“バイアス”が命取りに

 最近は気象情報の精度が上がってきていて、スマホなどで逐一情報をチェックできるようになりました。一般のかたがたの防災意識も高まっていると思います。

 それでも被害に遭ってしまうのは、きっと「用心している以上のことが起こった」ということなのだと思います。

 心理学的に見ても、そもそも人間は異常なことが起こったときに「大したことはない」と、心を落ち着かせようとする“正常性バイアス”がかかるのだそうです。「少しなら大丈夫だろう」「まさか自分が」と考えてしまう。それに加えて「いままでも大丈夫だった」という過去の経験が邪魔をして、対処が遅れるケースもあると聞きます。

「人生60年、これまで数々の台風を経験してきて、ひどいときでも道路が冠水するくらいだったから、今回もその程度だろうと思っていたら天井まであっという間に水が来てしまった」といった例は、珍しくないと思います。

 天災のときは「まさか」ではなくて「もしかしたら」と考えるようにしてほしいんです。「逃げて無駄足になるかもしれない」「ただただ労力を使うだけかもしれない」と思うかもしれません。ですが、何もなく済むことが災害からの避難のいちばんの正解ではないでしょうか。

 日本は自然が豊かな半面、天災に遭うリスクはどこに行ってもあると思います。だからこそ、危ないときはきちんと距離をとり、正しく怖がる。そうやって、うまくつきあっていってほしいし、そうあらねば、とぼく自身も思っています。

 予報士として目指しているのは、ふだんの天気のときは親しみやすく、いざ災害のときは頼れる存在になること。大人だけでなく、子供にもわかりやすくありたい。

 そのためにも、天気が穏やかなときは、ゲームやアニメのパロディーも入れたイラストを添え、天気に興味を持ってもらう。でも天気が荒れているときは、イラストではなく必要な防災情報を口頭でわかりやすく伝える。「今日は絵がない……ってことは深刻なのかも?」と、防災意識のスイッチを作れたらいいなと思っています。

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