前後のドライブレコーダー、音声カーナビ、Wi-Fiスポットなどを搭載し、高い評価を得ているパイオニアのオールインワン車載器「NP1」。9月29日に大型アップデートを実施し、新機能が搭載される。今回はカーコメンテーターの高山正寛氏が、アップデート開始前にテストモデルを使って新機能を確認、同商品の実力を検証するとともに、その将来性について考察する。
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使い勝手が良い音声案内
今年2月に発売された「NP1」は、コンパクトなボディにドライブレコーダー、音声カーナビ、Wi-Fiスポットなどの機能を“てんこ盛り”にした複合型商品です。パイオニアとしてはドライバーに快適なドライブ空間を実現させる「ドライビングパートナー」として位置づけています。車載専用を謳う以上、耐久性なども含め、それぞれの機能がスマホでは実現できないハイレベルに仕上げている点が第一の特徴と言えます。
NP1はカーナビ機能を搭載しているのに、ディスプレイがありません。発売当初には「画面の無いカーナビ」として話題になりました。発話するだけで目的地まで“親切”に音声で誘導してくれます。
これを実現させたのが本体に搭載された通信機能です。これを使ってクラウド接続することで、目的地の検索からルート探索、そして誘導までを行ってくれるのです。
「親切な案内」というのも、従来のカーナビのような画一的なものではなく、前を向いているだけで次にどうすれば良いのかがわかる、言い換えれば「痒い所に手が届く」ような案内をしてくれます。
一例としてこれまでのカーナビだと必ず「交差点名」を案内しますが、交差点名を言われてもそもそも知らないので困るケースがあります。一方、NP1の場合は「3つ先の信号を左です」といった案内になります。これなら初めての場所でも迷うこともありません。また、音声で案内してくれるのでディスプレイを見ることも、手元を動かすこともありません。結果として安全運転に寄与します。