店員さんは「なんでこの人、スマホにしないんだろう?」と、終始困惑している感じではありましたが、最後は「分かりました。今、SIMカードを持ってきますね」とにこやかに言い、新しいSIMカードを持って来てくれました。
すぐに開通の手続きをしてくれ、私の元最新鋭ガラケーは無事に復活。登録していた電話帳はなくなりましたが、それはこれからちょっとずつ復活させていけばいい。相変わらず電話はあまり鳴らない生活を続けていますが、復活してよかったと思います。しかし、ガラケーの機種変更をする客って、そんなに珍しいんですかね? 店員さんとのやり取りを通して、自分が文字通り、ガラパゴス諸島に生息している絶滅寸前の生き物のように思われていることを実感しました。
【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『よくも言ってくれたよな』(新潮新書)。