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65才オバ記者が池袋→大阪の“完全個室の深夜バス”体験ルポ 「狭さがなんとも心地いい」

天井まで仕切られた扉付きの完全個室11室が左右に並ぶ車内は、清潔で静か

天井まで仕切られた扉付きの完全個室11室が左右に並ぶ車内は、清潔で静か

 ドリームスリーパー号の定員は11名で、乗務員さんは2人。池袋から大阪まで約7時間45分。途中、東名高速道路の足柄サービスエリアに停車・休憩しながら一路大阪へ。トイレはバスの半地下に完備されている。

 走り出してしばらくすると、低音の深夜向きの声で必要最小限の車内と運行上のアナウンスがあって、ボタンひとつで瞬時にリクライニングになるシートでワインをチビチビナメているうちに、あれ? スコンと意識がなくなったんだわ。

 実は私、生涯でただ一度だけ、お姫さま抱っこをされたことがあるのよ。ヒザの裏に腕を差し込まれグイと持ち上げられたときのなんとも言えない甘やかな気持ち。それが深夜バスのリクライニングシートで再現されたなんて!

個室内はゆったり(イラスト/小川かりん)

個室内はゆったり(イラスト/小川かりん)

 それだけじゃない。寝落ちして目覚めたらこの狭さがなんとも心地いいんだわ。

 耳をすましても、他室からは物音ひとつ聞こえてこない。窓のカーテンも他人に気遣うことなく開け閉め自由。早い話が、シートにお姫さま抱っこをされたまま、すっかりくつろいで持ち込んだiPadでYouTubeを見たり、音楽を聴いたりしてたら寝そびれてしまった私。

 そのくせ、朝方になってガクンと寝てしまい、体は重だる~。なんば高速バスターミナルでいっしょに降りた30代の女性に、「よく寝られましたか?」と声をかけたら、「はい、ぐっすり」とさわやかなお言葉が返ってきた。

 あ~あ、今度乗るときは、彼女のように興奮しないで静かに眠りたいな、と思いつつ、化粧のハゲた大年増のような、夜明けの道頓堀のごちゃごちゃ道を、重い足を引きずって歩き出したのでした。

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