“中国ポップ”なものが「ハオい」
その語感の良さも含めて若い女性たちに受け入れられている「好ハオ」と言う言葉は、どのように浸透していったのか。中国文化に詳しい女性ライター・Bさん(30代)は、元になっているのは「ハオい」という言葉ではないか、と分析する。
「『好ハオ』は、アニメやスマホ向けゲームのファンの間でよく使われています。SNS上で『好ハオ』と書く場合もあれば、『好(ハオ)!!!』などと読み仮名として示す書き方もあります。ただし、若者のトレンド語として流行する前から、すでに『ハオい』という言葉は使われていました。『好ハオ』はその派生形として使用されるようになりました。
2020年頃から中国のコスメやメイクや、ファッション、スイーツ、簡体字のネオンや簡体字ロゴの服など、“中国ポップ”なものが若者世代を中心に注目されるようになりました。中国の“チャイボーグメイク”なども、そのひとつですね。そうした中国文化好きの間では、以前から中国っぽさを示す際に『ハオい』という言葉が使われていました。
『ハオい』は単純に“良い、おしゃれ”という文脈だけでなく、いわゆる“ディープな中国”や“キッチュな中国”のイメージを示す時にも使われます。わかりやすい例で言うと、横浜中華街のお土産コーナーに売っているキッチュな雑貨とか、昔原宿の竹下通りにあった中国雑貨屋『大中』に売っていた商品のようなイメージです。“あえてダサいものが良い”という感覚を表現するときにも、『ハオい』という言葉がぴったりなんです」(Bさん)
K-POPファンのあいだでは、かねてより韓国語で「好き」をあらわす「チョア」が使われているが、最近の中高生やアニメファンにとっては「好ハオ」が新鮮かつ“カワイイ”流行語として受け入れられているようだ。(了)