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来年4月に日銀総裁交代で2人の後継候補 どちらが選ばれても金融引き締めに転換へ

1998年8月以来、約24年ぶりの円安水準に(時事通信フォト)

1998年8月以来、約24年ぶりの円安水準に(時事通信フォト)

いよいよ「利上げ」へ

 日銀総裁は国会同意人事で、首相(内閣)が人選し、衆参両院の同意を得て任命される。

 次期総裁には2人の有力候補の名前が挙がっている。現日銀副総裁の雨宮正佳(まさよし)氏と前副総裁の中曽宏氏(大和総研理事長)だ。黒田総裁が財務官僚出身なのに対し、2人とも日銀プロパーである。

 この2人、どんな考えを持つ人物なのか。

「中曽さんは黒田総裁の下で2013年から5年間副総裁を務め、その後、雨宮氏が副総裁を務めています。金融政策の方向性が決定的に異なるというわけではないが、雨宮さんは副総裁になる前から、黒田氏のブレーンとして事実上、『異次元の金融緩和』のアイデアを出した人物です。一方の中曽さんは雨宮さんより金融政策正常化への問題意識が強いように思える。

 現在の日本経済はあまりに金融緩和をしすぎて副作用が色々出ている。マイナス金利政策や10年物国債の金利を0%近辺で固定するという異常な政策を取っているのは世界で日本だけです。岸田首相がそれを修正したいなら中曽さん、アベノミクスの金融緩和路線を継承しながら行きすぎた部分はバランスを取りながら微修正していく方針なら雨宮さんが選ばれるのではないか」(加藤氏)

 経済アナリストの森永卓郎氏も同様の見方だ。

「岸田首相は次の日銀総裁に黒田バズーカ路線をはっきり転換させるつもりです。雨宮総裁なら緩やかな金融引き締め、中曽総裁であればそれより急激な金融引き締めに向かうでしょう。私は次期総裁は黒田路線から遠い中曽さんが選ばれる可能性が極めて高いと見ており、最近は市場関係者の間でも中曽総裁を予想する人のほうが多い」

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