18才からお金を奪う
政権トップがコロコロ変わっても、政府の年金制度に対する姿勢は一貫している。それは、「取れるところからできるだけ取り、できるだけ渡さない」というものだ。
現在、年金保険料を支払っていないのは、任意加入している人を除く60才以上の「シニア世代」、学生納付特例制度を使って支払いを猶予されている「学生」、それに「第3号被保険者」と呼ばれるサラリーマンの配偶者の専業主婦(主夫)の人たちだ。
前述のように、すでにシニア世代から保険料を“奪い取る”ための議論はスタートしている。
「それだけではありません。第一次ベビーブーム世代が60才を迎える頃と前後して、年金の給付開始時期が60才から段階的に65才に引き上げられました。歴史が繰り返されるのであれば、第二次ベビーブーム世代が65才を迎える2030年代後半には、給付開始が70才とされる可能性もあります。
実際、年金が増えるというニンジンをぶら下げて、最大70才まで繰下げ受給ができる制度になっていますしね」(前出・丸山さん)
大学生などの若者世代もターゲットだ。
「若い世代に対しても、支払いの猶予は決して『免除』ではありません。猶予期間中の保険料を後から追納しなければ、将来受け取れる年金が減らされます。
さらに言えば、成人年齢が18才に引き下げられたことを理由に、将来、保険料の支払いも18才からとなる可能性もあります。ほとんどの人が大学に進学する時代ですが、会社員として働いていれば10代でも厚生年金に加入していますし、それ以外のフリーターの人たちも、18才になったら保険料を払うことになるかもしれません」(前出・丸山さん)
※女性セブン2022年11月3日号