陳列法にも秘密があると話すのは、小売・流通業界専門メディア『リテールガイド』編集長の竹下浩一郎さんだ。
「オーケーさんの安さへの執念はすごい。通路はまっすぐ、平台などもほとんど置かないなど、随所で店舗運営の経費率を下げる取り組みを徹底しています。シンプルな店舗作りは、お客さんにとっても買い物がしやすいので一石二鳥になっている」(竹下さん)
コロナ禍を経て、もはやスーパーは「必要なものを買いに行く」だけの場所ではなくなった。
「今回の総選挙を通じて、スーパーが日常のアミューズメントスポットになっていることを一層強く感じましたね。ご飯を作るにしても、面倒なことや大変なことが多々あると思います。スーパーに足を運ぶのは、そのためのある種のルーティンワークだけど、それをどれだけ楽しい場に変えられるかが、スーパーの力の見せどころ。
安さとか、こだわりの商品とか、意外な提案とか、お客さんを楽しませるポイントは実はたくさんある。そんな工夫と努力を続けるスーパーが多くの支持を得ているのだと思います」(ジェーン・スーさん)
物価高により、買い物中にため息ばかりが出てしまう昨今だが、推しスーパーの存在はつかの間の安らぎを与えてくれそうだ。
(了。前編から読む)
※女性セブン2022年11月10・17日号