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身内が亡くなってすぐに“銀行口座凍結”はNG 専門家が解説「やってはいけない死後の手続き」

得する「特例」が使えなくなる

 ここまでは「死後すぐにやってはいけない」ことだが、タイミングが重要な手続きは他にも多い。とくに相続税絡みの次の2点は注意が必要だ。

【やってはいけないこと】自宅をすぐ処分

 相続税の申告期限は死亡を知った翌日から「10か月以内」。納税のためにと、それまで親と同居していた人が自宅を処分すると大損してしまう。

「親と同居していた親族が家を相続した場合、敷地の相続税評価額が最大8割控除(減額)される税法上の特例があります(小規模宅地等の特例)。しかし、この特例は相続税の申告期限まで宅地を保有していなければならず、早く処分すると税額が大幅に増えてしまいます」

 また、親が相続税対策として高額不動産を購入してから数年で亡くなり、子が相続後にすぐ売却すると、「税務署から露骨な相続税逃れと判断され、追徴課税される可能性が高い」と橘氏は指摘する。

【やってはいけないこと】相続税の肩代わり

 相続税は、相続人それぞれが相続した遺産に応じて税務申告し、個別に納付しなければならない。

 だが、父親が亡くなり、母親が自分の相続分から子供たちの分の相続税まで払ってやることがある。

「これは母から子供たちへの贈与とみなされ、贈与税がかかります。そうしたいのであれば、遺産分割で子供たちの相続分を多くして、税金は子供たちに納めさせるなどしておくことが大切です」

 相続の手続きは煩雑で、遺産が多くても少なくてもトラブルが尽きない。『週刊ポストGOLD 相続の大改正』では、これ以外にも制度改正に対応した最新知識とノウハウを数多く紹介しているので、参考にしてほしい。

※週刊ポスト2022年11月11日号

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