酒匂氏は、「個人投資家の取引手法は、大きく2つのパターンがある」という。
ひとつは「介入待ち」。1ドル=150円を為替介入ラインと考え、そこに近づいたら買っていたドルを売って利益を確定する。介入の先回りをするやり方だ。
もうひとつは「介入の瞬間に動き出す」方法。介入がわかった瞬間にドルを売り、ドル安(円高)になったところで買い戻して、再びドル高(円安)のチャンスを窺う手法だ。
「為替介入のタイミングを利用して儲けている個人投資家は、非常にうまく立ち回っているといえる」(酒匂氏)
政府・日銀の為替介入を手玉にとって、自らの資産を大きく膨らませる個人投資家とは、一体どんな人たちなのか。
1日に300回の取引
「今年は2億円を超えるプラスになっています」──そう微笑むのは、FXトレーダーとしてYouTubeなどで情報を発信する平井聡士氏だ。
平井氏が投資の世界に足を踏み入れたのは6年ほど前。株や暗号資産など様々な投資を行なうが思うようにいかず、FXにたどり着いたという。
「元手300万円で始めて、しばらくは勝てませんでしたが、着実に利益を出しているトレーダーの手法を分析、情報を蓄積して2年ほど前に勝ちパターンが見えてきました。介入があった9月は4150万円、10月は2400万円、今年は2億円を超えるプラスとなっています。これだけ激しい値動きは10年に一度もないほどの相場。このチャンスに乗らない手はないと思っています」
平井氏の手法は、数秒、数分単位の超短期で取引する「スキャルピング」というものだ。