日本のゲームへの回帰が進むか
メーカーに勤務する20代男性・Bさんは、日本のゲームよりも海外ゲームのヘビーユーザー。海外ゲーム会社が本来納税すべき分を、AppleやGoogleといったプラットフォーマーに課すようになれば、「日本のスマホゲームが復権するかもしれない」と期待を寄せる。
「僕は2016年くらいからスマホゲームをプレイしていますが、日本のゲームはガチャの排出確率も低いなど、“課金圧”が強すぎるように感じていました。そうしたなかで、2018年くらいから“財布に優しい”海外ゲームが増えてきて、今では僕がプレイしているゲームはすべて海外発になりました。
とはいえ、この前、Appleがアプリ内課金額を改定したのを受けて、少し値上がりしたゲームもあったわけです。今度はAppleに税金を負担させるようなことをしたら、その分が価格に転嫁されて、海外ゲームのさらなる課金値上げにつながるかもしれない。そうなると、これまで価格競争力の面で負けていた日本のゲームが再び力を取り戻すかもしれない。安さが魅力だった海外ゲームの“課金圧”が高まるようなら、僕も日本のゲームに回帰するかもしれません」(Bさん)
将来的な“ガチャ税”の創設に懸念
こうした期待の声がある一方で、不動産会社に勤務する20代女性・Cさんは、今回の税の取り立て強化がゲーム課税につながるのではないか、と不安視する。
「もちろん税逃れしている海外事業者への対応は当然やるべきだと思いますが、最近の政府の動きを見ていると、税金を取れるところから、何としてでも取ってやろうみたいな感覚が強くなっている気がします。すごく怖いです。
ゲーム人口も増えていると思うし、そこに目を付けて、お酒やタバコみたいに課税対象になる可能性もありそうですよね。個人的には依存する人が多ければ多いほど、課税対象になりやすいと感じています。ガチャ税とか、ゲーム関連に課税されるような未来が来ないことを祈るばかりです」(Cさん)
日本はゲーム市場として魅力的だが、税制面では“抜け穴”も少なくない。政府が断固たる意志で、その抜け穴を埋めることができるのか、今後の展開を注視したい。(了)