吉田みく「誰にだって言い分があります」

物価高が生んだ夫婦間の金銭感覚のズレ 「妻の女子会ランチ5000円」に夫の穏やかならぬ胸中

集まりにくい理由はコロナだけではない(イメージ)

集まりにくい理由はコロナだけではない(イメージ)

「次は新年会の約束したんだ」

 結局、ランチ代5000円、交通費1000円、被服費1万円を家計から出すことが決まった。めったにない機会とはいえ、ユウタさんとしては痛い出費に感じていたようだ。そして無事に女子会が終わったものの、夫婦間に新たな問題が生じ始める。

「妻は『私も皆みたいに正社員でバリバリ働いちゃおうかな』と言い出し、これは絶対に女子会の影響だと気づきました。もちろん今の御時世、妻がバリバリ働くのは歓迎すべきことなのでしょうが、結婚前は、家庭優先の生活がしたいと話していただけに、この変わりように驚きです。

 他にも、『SNSで話題になるようなお洒落なランチは2000円じゃ難しいんだって。値上げの影響もあるのかな』と言っていました。それにも関わらず、『別れ際に新年会の約束したんだ。行ってきていい?』って……。また同じくらいの出費を求められるかと思うと、正直ストレスです。学生時代の友人たちとは言え、妻には生活レベルが違いすぎることに気付いてほしいです……」

 ユウタさんとしては、女子会に行くことを否定しているわけではないという。身の丈に合った金額で楽しんでほしいそうだ。現在、妻は新年会に向けて節約中とのこと。

 今回のケースの5000円のランチビュッフェは贅沢な女子会ではあるものの、筆者が大手レストラン予約サイトを見ると、きちんとしたお店で2000円以下のランチを探すのは難しいとの印象を受けた。2000円以下だとしても、セットドリンクを付けるとオーバーしてしまうことも少なくない。

 以前は「2000円のランチは贅沢」と話題になったこともあったが、外食値上げが相次ぐなか、その常識も変わりつつあるようだ。女子会などの集まり自体が贅沢となり、経済状況によっては気軽に参加できなくなってきているのかもしれない。(了)

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