赤城氏は、そもそも「許される・許されない」マナーの線引きは、“喪主が受け入れられるかどうか”だと考える。そこには「ローカルルール」の存在がある。
「例えば、世界的には葬儀の場でポケットチーフは間違いではありません。でも、日本人だと洒落っ気を出しているように見えるため、好ましく思わない人も多い。同様に日本国内でも、地域によって受け入れられるものもあるし、受け入れられないものもある。こういった温度差があることから、全国共通の“正解”を導くのはなかなか難しいというのが実情です。
もっと言えば、親族の理解にもよっても違ってきます。普段通りの金髪やネイルといった、一般的には“葬儀の場にふさわしくない”と思われそうな身なりでも、喪主や親戚が『○○ちゃんらしい』『○○ちゃんなりの弔意なんだな』などと認識し、了承していればいいのです。やはり、一番大切なのは、故人を偲ぶ想いです」
弔意の表し方は人それぞれ。細かすぎる“マナー警察”はナンセンスということなのかもしれない。(了)