自民、公明、立憲の「新3党合意」の大増税も
岸田首相の支持率が低下し政権基盤が弱まっていることは、増税派の財務省にとっては好都合だ。
支持率が落ちた岸田首相はいまや財務省の言いなりになるしかない。政府税調で増税論議がどんどん進められているのがその証拠だろう。
そのうえ、野党第一党の立憲民主党に増税容認派が台頭していることが岸田政権の増税路線を後押ししている。
同党の幹事長に就任した岡田克也氏は「税・社会保障一体改革」による消費税増税を決めた野田内閣の副総理で、今回の防衛費増額の財源論では、「所得税の累進課税強化」を挙げている。野党側が増税論を唱えてくれれば与党はやりやすい。
立憲民主党で現在も泉健太・代表以上に力を持つ枝野幸男・前代表も昨年の総選挙で公約に掲げた「消費税5%への減税」を「政治的に間違いだったと強く反省している。二度と減税は言わない」と否定し、消費税減税を求める日本維新の会や共産党との野党共闘に水をぶっかけた。
10年前、民主党政権は財務省をブリッジに野党だった自民党、公明党と3党合意を結んで消費税10%への増税法案を成立させた(実施は安倍内閣)。野党側も増税に前向きになるという現在の状況はあの時とそっくりだ。
「岸田政権は民主党政権と極めて似ている。何をやりたいかわからないし、財務省の言いなり。そういう状況を踏まえると、自公と立憲で、かつての3党合意のようなものを結んでも不思議ではありません」(高橋氏)
自民、公明、立憲の談合で国民無視の大増税を行なう「新3党合意」の臭いがプンプンしてきた。
※週刊ポスト2022年12月2日号