相続人がいなくても、故人と生計を同じくしていた人や、療養看護に努めた人などは特別縁故者として、裁判所に清算後に残った相続財産の全部または一部を分与するよう請求することができるという。
「かなり親しい人が孤独死した場合で本人に身寄りがなければ、友人であっても火葬や葬儀をすることはできます。同居していなくても精神的支柱だったなどの理由で特別縁故者に認められる場合もあり、やってみて損はありません」
数多くの孤独死ケースを知る武内さんは「肌感覚」と前置きしてその特徴をこう言う。
「圧倒的に男性が多い。やはり女性は社交的な人が多く、社会とのつながりを持っていることが多いようです。女性からしたら父親や自分が先に逝った場合の夫が心配です」
佐々木さんはこんな見方だ。
「特殊清掃を依頼された部屋が、きれいに整頓されていたケースはありませんね。逆に、ゴミ屋敷の清掃を依頼され、現場で遺体を発見したことはあります」
孤独死は、どうすれば避けられるのか。
「ひとり暮らしである以上、生活の場である部屋で死ぬのは仕方がない。だからこそ、いかに早く見つけてもらえるかがカギになります。郵便局が提供するものなどの『見守りサービス』は増えており、不安がある人はそれらの利用を考えるのも一案です」(武内さん)
立つ鳥跡を濁さず。できる限り予防策を講じておきたい。
※女性セブン2022年12月1日号