割り勘の提案が2人の間に亀裂を
ナオヤさんの不満げな様子を察したのか、彼女から予想外の提案をされることになる。
「『じゃあさ、アフタヌーンティーの後にディナーも行こうか!』と言い出したんです。彼女が納得するようなクリスマスディナーは安くなさそうですし、そのお金は誰が出すんだろう……そんなことばかり考えてしまいました」
普段のデート代はナオヤさんが全額負担している。理由は、学生の彼女に負担させるのは気が引けるからだそうだ。しかし今回のデートはかなり高額になりそうだと判断したナオヤさんは、アフタヌーンティーは割り勘にしてほしいと話すことにした。そのことが2人の間に亀裂を生むことになる。
「最近は割り勘が珍しくないことも伝えたところ、『えー、私、学生なのに8000円は無理だよー』でした。私にどれだけお金を出させる気でいたんでしょうか……。今後の付き合いについても見直すいい機会になりました」
彼女との将来のことも視野に入れていただけに、今回の金銭感覚のズレは大きなダメージだったそうだ。そう言うナオヤさんだが、それでも彼女とは別れたくないようで、現在もアフタヌーンティーの予約はそのままとのことだった。金銭的な理由もあり、ディナーなしのアフタヌーンティーのみのクリスマスになりそうだと話していた。
マッチングアプリ「Omiai」運営会社らの「Z世代の恋愛観」調査によると、「初デートの費用」の「割り勘派」は、男女ともZ世代(18〜25歳)のほうがZ世代以降(26歳以上)より多かった。もちろん、Z世代以降のほうが収入が上がる傾向があるため、相手に奢るケースが増えると想定できるが、一方で、Z世代からは「ジェンダーロールを押し付けられるのが嫌だ」「恋愛にお金を使いたくない」という声も挙がったようだ。一口にZ世代と言っても、恋愛観は様々であることが窺える。
「ヌン活」は流行に敏感な若い世代からの注目度も高いようだが、その反面、人気の店ではアフタヌーンティーは1万円近い金額なので、「デートに使えるお金」とのギャップもあるだろう。多様化しつつある恋愛観だからこそ、問題にぶつかったときはきちんと話し合って価値観をすり合わせていくことが大切だと感じた。(了)