川辺謙一 鉄道の科学

「線路を走っている車両はすべて『電車』だ」という日本ならではの誤解

東京・大阪間を結ぶ貨物列車で使われている貨物電車

東京・大阪間を結ぶ貨物列車で使われている貨物電車

 つまり、一般に「電車」と呼ばれる「旅客電車」は、さまざまある鉄道車両の種類の一部に過ぎないのです。

 にもかかわらず、冒頭で述べたように、「線路を走っている車両はすべて『電車』だ」と思っている方がおられます。

 このような誤解が生じるのは、日本では仕方ないことかもしれません。なぜならば、日本では鉄道車両の大部分を「電車」が占めているからです。

 たとえば新幹線や地下鉄では、すべての営業列車が旅客列車であり、「電車」で運転されています。東京圏のような大都市圏では、線路を走る車両のほぼ100%が「電車」で運転されています。

 また、現在の日本では「ブルートレイン」と呼ばれた寝台列車(機関車けん引の客車列車)が存在しないので、JR東京駅を発着するすべての定期旅客列車が「電車」で運転されています。

 現在の日本の鉄道はこのような状況があるので、「鉄道車両=電車」だと思っている方がいても不思議ではないのです。

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