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コロナ禍やウクライナ問題よりもっと根深いところにある世界的なインフレの原因

「物価高3%増」は、「資産3%減」とほぼ同じ

「物価高3%増」は、「資産3%減」とほぼ同じ

インフレの本当の原因はコロナでも戦争でもない

 まさにいま、私たちが食費や電気代を必死に節約しようとしているように、物価が上がれば、国民の消費は生活必需品だけに向かい、娯楽を楽しむ余裕はなくなる。

 ウクライナ問題によって世界中でモノの供給が滞り、消費が減ることであらゆる企業の利益が下がり、さらに供給は減る。だが、本当にそれだけでここまで世界的なインフレが加速するだろうか。

 経済評論家の加谷珪一さんは、インフレの原因は、もっと深いところにあると話す。

「コロナで物流が混乱し、そこにウクライナ問題が追い打ちをかけたのは事実です。しかし、それ以前に“金融政策のミス”がある。中国など新興国の成長で需要が拡大し、物価が上がっていたところに、リーマン・ショックに対応するため各国の中央銀行がお金をばらまく『量的緩和』を実施。これが物価上昇に拍車をかけたのです」

 そこに国家間の対立もからむ。“世界最大の消費国家”であるアメリカと“世界の工場”である中国の貿易戦争により、安く大量生産できる拠点を失ったのだ。

 エネルギーや食料など、あらゆるモノを輸入に頼るわが国は、こうした国際情勢に振り回されている。

 コロナ前から、インフレは着実に進んでいたが、その本格的なスタートは意外にも、トランプ前米大統領の就任だ。

「“アメリカ第一”を掲げるトランプ氏が、それまでのグローバリズムの流れを一気にナショナリズムに変えました。つまり、世界中で協力して経済を発展させようとしていたのが、突然、自国の利益だけを追求するようになったのです。中国製品に高い関税をかけたことで先進国と新興国の間に“壁”ができ、デフレ傾向にあった先進国を、一気にインフレに方向転換させてしまいました」(浅井さん)

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