水際対策の大幅緩和のタイミングで円安も相まって、訪日外国人の数が増えている。日本政府観光局(JNTO)によると、10月の訪日外国人旅行者数は49万8600人(推計)で、9月の20万6500人から2.4倍増。それに合わせて、コロナ前はお馴染みの光景だった、訪日外国人による「爆買い」も復活しつつあるようだ。その状況を肌で感じている、都心で働くショップ店員たちに実情を聞いた。
高級ハンドバッグの人気カラーを爆買い
Aさん(30代/女性)は、イタリア発のカジュアルブランドショップで長く店員として働いている。最近、「明らかに個人の買い物の範疇を超える量」を買う外国人客を目にするようになったという。
「コロナ前のインバウンドの時よりも、一人当たりの購入量が激増した気がします。先日は、台湾からのお客様で、ハンドバッグを30個買っていった方がいました。白が人気なのか、白を中心に買い集めていかれましたね。
うちは購入にあたって、個数制限などが特にないので、買いたいと言っていただければお売りするのですが、中には転売目的で購入されている方もいるようで、それは複雑な気持ちになりますね。本当にブランドが好きだったり、ほしいと思ってお店に足を運んでくださる方に届きにくくなるのは避けたいので。もちろん、転売先でも、ほしいからこそ買ってくださるのだとは思うのですが……」(Aさん)
爆買いする客だけでなく、店内で撮影する人も増えたという。
「これまでもインフルエンサーなのか、店内で服や試着姿を撮影する人はいて、気づいた時には遠慮してもらうようお願いしていたのですが、最近は動画を撮りながら、『これはいる? いらない?』という会話をする人が多い。撮影禁止の注意書きはしているのですが、スルーされている状態ですね。お土産に買うということもあると思いますが、何かの“仕入れ”なのかなと勘ぐってしまいます」(Aさん)