コロナ禍真っ只中の2021年、欧米の企業が大胆なリストラに踏み切った一方で、日本では助成金や給付金によって、失業者を出さない政策を選択した。一時的にはよかったが、いざ経済活動が再開すると、欧米は目覚ましい回復を見せた。
「欧米企業がこぞって求人を増やし、有効求人倍率は一時2倍を超え、賃金もコロナ前より高くせざるを得なくなりました。例えば、米ジョージア州ではインフレ率が8%なのに対し、賃金は12%も上昇しています。一方の日本は、有効求人倍率はせいぜい1.3倍で、給与は据え置き。これでは、国民は“たった4%のインフレ”にも、耐えられるはずがありません」(浅井さん)
浅井さんによれば、いまの日本は、「コロナ」「ウクライナ」そして「円安」の「インフレ三重苦」の中に置かれているという。
「アメリカの10月のインフレ率が予想より低かったこともあり、一時期に比べれば、いまは円安が落ち着いています。しかし、油断はできません。12月に発表されるアメリカの11月分のインフレ率が大幅に高まれば、円高回帰はあまり期待できなくなる」(飯田さん)
もし、世界的に8%のインフレが続き、1ドル=180円にまで円安が進めば、円が暴落する前の1ドル=115円当時に1斤100円だったパンは、2026年には1斤210円にまで値上がりする計算だ。
※女性セブン2022年12月15日号