再生段ボール製「エコ棺」の注目度が高まる
個々人の価値観が浮き彫りになる「棺」の選び方だが、トレンドとしては、葬儀業界にもSDGsの波が押し寄せており、環境に配慮したものが注目を集めているという。
「10年以上前から、再生段ボールを使った『エコ棺』という棺は存在していたのですが、ここにきてSDGsが注目されるようになったことで、『エコ棺』を選ぶ人は以前より増えている印象はありますね。
強化段ボール製で、底抜けするようなことはありません。段ボールの表面に布を貼っており、見た目は通常の棺と同じです。段ボールをあえてむき出しにし、故人へのメッセージを書く人もいるようです」
エコ棺を手がけるメーカーのひとつ、トライウォール社によると、通常の合板製と比べ、木材の使用量は3分の2。天然接着剤の使用で、火葬時の有害物質の排出量は3分の1まで削減可能だという。「エコ棺」が環境に優しいことはわかるが、気になるのはその価格だ。
「葬儀社によりますが、『エコ棺』は15万円ぐらいします。一般的な棺はやすければ5万円ほどですから、“環境に配慮する=お金がかかる”ともいえます。それでも、環境意識から選ぶ人もいれば、善行を積んでおきたいという理由で選ぶ人もいるようです」
お金をかける箇所、節約する箇所は人それぞれだろうが、故人のためにも後悔のない選択を考えておきたい。(了)