最低購入価格が3分の1に
アフターコロナの経済活動再開が追い風となる「インバウンド銘柄」も上昇予想となっている。
「コロナ前に化粧品や薬などの爆買いで知られたマツキヨココカラ&カンパニー、このほど高級品の売り上げが伸びている三越伊勢丹HDや高島屋などの『百貨店』関連は、中国のゼロコロナ政策転換も加わって、株式市場でも『買い』の復活がさらに期待されます」
国内旅行の需要回復に加えて、インバウンドが大きな後押しとなる東日本旅客鉄道など「鉄道」各社、日本航空やANAHDの「航空」各社も株価の上昇サインが灯っている。
さらに、外国人の爆買いによる恩恵が期待できるのが「不動産」だと藤本氏は見る。
「日本の不動産は世界的に見てまだ割安なうえに、銀行のローン金利も圧倒的に低い。低コストで不動産に投資できることからすでに欧米勢の買いが入っていますが、2023年は中国、そして米中対立による有事に備えて台湾からも買いが膨らむことが見込まれる。三井不動産や三菱地所をはじめ不動産関連は、さらなる上昇も望めます」
ユニクロを展開するファーストリテイリングにも投資妙味が出てきそうだ。
「海外の有名都市にも次々と進出し、ブランド価値を向上させてきた同社は円安メリットも享受できる。加えて、2023年3月1日付で1株を3株に分割する『株式分割』を実施する予定です。これまで最低購入価格が800万円を超えて手を出しにくかったですが、理論上は株価が3分の1になって買いやすくなるため、投資家の買いを呼ぶでしょう」
ウクライナ危機の長期化や台湾有事の可能性など、2023年の日本経済を取り巻く状況は必ずしも明るい見通しばかりではない。