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おかわり有料化、おかず品数減で“実質値上げ” 価格据え置きする飲食店の難しい選択

安くてボリューミーなランチ定食がなくなる日も?(イメージ)

安くてボリューミーなランチ定食がなくなる日も?(イメージ)

 ポイントカード廃止などの形で事実上のプチ値上げを敢行するパターンもある。神奈川県に住む自営業・Cさん(30代男性)は、行きつけのラーメン店でサービスの変更があったという。

「私がよく通っていたラーメン店では、規定回数の来店ポイントでトッピング一品がいつでも無料となるパスがもらえるポイントサービスがあったのですが、2022年いっぱいでそのサービスは廃止され、アプリタイプのポイントサービスに変更されました。

“トッピング一品いつでも無料パス”は、その店に通う大きな理由にもなっていたので、残念な気持ちでいっぱい。ポイントをまたゼロから貯めるというのも面倒くさい」(Cさん)

無料サービスを楽しみにしている客も多い

 サービスなどの見直しによる実質的なプチ値上げに対して、がっかりする利用客は少なくないようだ。前出・小浦氏はこう話す。

「おかわり無料やトッピング無料といったサービスは、そのお店の“お得感”を演出する重要な要素。値段よりもむしろそういったサービスがあることが、来店のモチベーションになり得るということです。たとえば牛丼チェーンの松屋では、店内飲食の場合、丼メニューやカレーについてくるみそ汁が無料ですが、一部店舗で実験的にみそ汁を有料化したところ、ネット上で多くの反発がありました。それはまさに“みそ汁無料”を重視している利用客が多いという証拠だと思います。

 利用客にとって値上げが歓迎できないものであるのは間違いないのですが、“お得なサービス”を楽しみにしているという人も多い。値上げを避けるために、お得なサービスを見直した結果、利用客の満足度が下がってしまうということは十分にありえます。昨今は、何らかの形で原材料の高騰分を価格に転嫁しなければならない状況にありますが、そんななかで値上げをするのか、サービスを見直すのか、経営サイドは選択しなければならない。利用客のニーズを的確に把握する必要はあるでしょう」

 値上げに関する選択を一歩間違えると、売上に大きく影響しかねない昨今。飲食店にとっては厳しい時が続きそうだ。(了)

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