セラミックスは、古くは縄文時代の土器から始まり、陶器や磁器に歴史を持つ。そして自動車スパークプラグなや碍子など工業用セラミックが作られるようになり、現在では材料を高純度化し製造工程を緻密にコントロールすることで求める機能を発現した、機能性セラミックスを生産するようになった。
もともとセラミックスは、耐熱性・耐摩耗性・耐腐食性にすぐれ、その一方で機械的衝撃や急熱急冷という熱的衝撃に弱い「脆さ」が弱点であったため、工業部品としてプラスチックや金属に比べ用いられにくい素材だった。しかしこの「脆さ」を技術で克服したセラミック製品が登場するようになり、工業部材に用いられるようになっていった。
機能性セラミックスはニューセラミックスやファインセラミックスと呼ばれ、電子部品などに利用され、その性能を決定する重要な部品となっている。近年では省エネ製品やクリーンエネルギー、太陽光発電やハイブリッドカー、ハイパワーLEDなどに欠かせない存在に。また周波数を制御することができるため、データ通信の高速・大容量化が進む中で、携帯電話、パラボラアンテナ、基地局などに使用されている。
加えて、ノイズ除去に優れるため、デジタル機器を電磁波妨害(ノイズなど)から保護するための製品として、積層セラミックコンデンサや積層EMIフィルタといった部材で電気自動車(EV)用充電機やデジタルテレビ等にも使用されている。
このセラミックスで世界トップシェア製品を複数有する部品メーカー・MARUWA(東証1部・5344)は、旺盛な機能性セラミックス需要の拡大を背景に最高益を更新している。