同社は早くから機能性セラミックスの重要さに着目。特に放熱性に優れる窒化アルミニウム基板における同社の世界シェアは約70%に達しており、その高い技術力は世界からも認められている。3年前からは他社と差別化できる製品など、収益成長が見込まれる分野に資源を集中させ、量(売上)より質(利益)を重点の方針を打ち出してきた。そして、ここにきて差別化製品として位置づけている省エネ・環境対応関連や半導体製造装置向け製品が伸びているのだ。この成果として高収益化が進み、2017年3月期上期業績は40%の増益となり、売上高営業利益率は11.1%から15.4%に大幅改善している。
今後、大電流・高電圧が必要とされる高速鉄道、太陽光発電などの新エネルギーや省エネ関連、ハイブリッドカー、ハイパワーLED、IoT時代の本格到来による高性能半導体需要の増大など、セラミック製品へのニーズは今後ますます高まりを見せていくものと思われる。
文■小池麻千子(グローバルリンクアドバイザーズ):アナリストとして企業リサーチを担当。訪問企業は海外企業を中心に多数。企業訪問・分析で培ったファンダメンタルズ分析を用いたボトムアップリサーチによる銘柄選定を得意とする。