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値上げラッシュの中であえて「値下げ」する企業 生協は「宅配利用増を還元」

物価高時代に「値下げ」に踏み切る企業も(写真:イメージマート)

物価高時代に「値下げ」に踏み切る企業も(写真:イメージマート)

 電気代に水道代、食品にタクシー代……2022年から引き続き、2023年もありとあらゆるものが値上げされる年になる。しかし、世の流れに逆行して「値下げ」に舵を切った企業がある。その違いはどこにあるのか──。

 JALは高騰が続いていた燃油サーチャージを2022年12月1日から値下げ。日本生活協同組合連合会(以下、生協)は2023年1~3月の間、プライベートブランド(PB)100品目を値下げ商品に選定し、それを含め、最低でも50品目を各生協で値下げするよう呼びかけている。ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんが語る。

「小売業で値下げをしているところを見ると、優待日や普段の特売日をやめる、チラシを打たないなど、何かしらのコストカットをして、それを消費者に還元しています。消費者心理としては、セールがなくなったとしても、まんべんなく品物が値下がりしていれば、購入動機につながります」

 生協のように、PBを多く持っていれば強みになる。丸山さんが続ける。

「PBは大量生産するので製造コストを抑えやすい。また基本的に広告は打たないので、その分販売コストを抑えることが可能です。ただ、原材料の仕入れ値としてはつらい状況なので、期間限定で還元するということでしょう」

 生協の営業本部本部長・久保田諭さんに話を聞いた。

「生協はPB商品を卸していますが、全国の生協がすべてのPB商品(CO・OP商品)を店頭に並べているわけではありません。全国共通の生協のPB商品と各地域の生協の独自選定品から、最低50品目程度を値下げします。値下げ率はPB100品目については7~10%、生協それぞれで独自に値下げするものにはばらつきがあります」

 特にパンや納豆、豆腐、油など、毎日家庭で消費するような商品を対象にしたという。それにしても、この時期にあえて値下げに踏み切ったのはなぜなのか。

「コロナ禍で外出自粛が続き、在宅時間が増えるなかで、宅配の利用が増えました。今回の値下げには、その利用分を消費者や組合員に還元するという意味合いもあります」(久保田さん)

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