価格据え置きを実施したら売上増の大好評
ディスカウントストアの「MrMax(ミスターマックス)」では、2022年9月から11月末の間、ナショナルブランド(NB)2000品目の値下げを断行。さらに期間を延長し、対象商品を入れ替えながら2月末までNB2000品目の値下げを継続する。
ミスターマックス・ホールディングス財務部広報課の担当者が言う。
「所得の増加が見込めないなか、お客さまの節約意識はいっそう強まり、消費活動は非常に厳しい状況にあります。そんななか、2022年3~8月にPB商品の価格据え置きを実施したところ、対象商品の売上高前年同期比は約2割増しとなって大好評でした。その経験を受け、9月からお客さまにより認知されているNB商品の値下げを実施しました」
その品目はカレールーや薬味、コーヒー、お菓子、洗剤など多岐にわたるが、いずれも値上げが続いてきたものばかり。どうやって値下げを実現しているのか。
「箱のまま販売して陳列の手間をなくす、1品を大量に陳列し、補充頻度を減らすなどの取り組みを日常的に行っています。また、仕入れ原価を抑えるために期間を限定し、商品を絞り込んで大量に買いつけを行っています」(前出・担当者)
昨年は値上げだけではなく、同じ価格のまま中身を減らす「ステルス値上げ」も相次いだ。だが、その流れに逆行する動きも出はじめている。
「『明治ブルガリアヨーグルト』は1月末まで期間限定で30g増量します。これまで内容量を減らしてきた分を少し元に戻す感じで、乳製品の高騰による消費の落ち込みを防ぐのが狙いでしょう。値上げが続いていたトイレットペーパーの長さが長くなったり、どんどん減っていたボックスティッシュの枚数が増える可能性もあります」(丸山さん)
経済評論家の加谷珪一さんが2023年の価格の動向についてまとめる。
「春頃までは値上げが続きますが、その後、為替次第では、価格が安定するかもしれません。そんななか、業績のよい企業によっては『値下げ合戦』を行うところも出てくるでしょう。動向をこまめにチェックして上手に利用していきたいところです」
どこで何を買うべきか、見極めて足を運びたい。
※女性セブン2023年1月19・26日号