S氏:60才で定年となって保険を見直す人が多いですが、退職金があってお金があったり、今後の体調を心配するあまり、保険をかけすぎてしまうことにも注意が必要です。顧客の預金残高がわかる銀行員が営業をかけてくることもありますし。
野原:たしかに、退職金や相続金などの“実入り”があると、銀行員が連絡してくるってよく聞くわね。それよりは保険を上手に活用した方がいいのかしら。
S氏:保険は相続対策にも有効なので、持ち家などの不動産を持っている人は考えてもよいかもしれません。
野原:なるほど。私も医療保険と火災保険と自転車保険くらいはちゃんと入っておこうかしらね。
S氏:あれれ!? 野原さん、ちょっと前まで保険に裏切られたって泣いていませんでしたっけ?(笑い)
野原:たしかに「境界悪性」で、期待していた入金が皮算用に終わったのは残念だったけど、だからこそ保険の大切さを改めて痛感したわよ。保険をかけておけば、日々の生活における気の持ちようがずいぶん変わるもの。保険ってやっぱり頼りになるわ。
野原さんが加入していた保険
野原さんが、加入していた保険は、以下のとおりだ(実際の商品名、会社名は伏せる)。
●S社「自由診療保険」/月保険料:5980円
国内中堅損保S社が「自由診療保険」として販売した新がん治療費用保険。その内容は【1】かかったがんの治療費を無制限かつ日数無制限に補償する「がん入院保険金」、【2】かかったがんの治療費を最大1000万円まで日数無制限で補償する「がん外来保険金」、【3】がんと診断確定されたとき100万円の一時金が回数無制限で出る(ただし3年に1回を限度とする)。
●T社「超保険」/月保険料:9233円(新総合保険) 月保険料:3621円(生命保険・終身)
国内大手損保T社による生損保一体型「新総合保険」。オバ記者が選んだのは【1】がん診断保険金200万円(月4337円)と【2】特定疾病診断保険金100万円(月2916円)の疾病定額、【3】死亡等保険金100万円(月1590円)の傷害定額、【4】個人賠償責任(月210円)、【5】借家人賠償責任(月180円)の5つ。終身の生命保険(月3621円)は65才で払込終了したが、保障は継続中。
(了。第1回から読む)
【プロフィール】
オバ記者こと野原広子さん/1957年、茨城県生まれ。ダイエットなどの体当たり取材が人気の、女性セブン名物ライター。65才。
保険の営業マンS氏/外資系生命保険会社の現役営業マンで、オバ記者とは旧知の仲。保険の奥深さに魅せられて保険業界へ。日々情報収集を怠らない。41才。
取材・文/北武司
※女性セブン2023年1月19・26日号