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日本企業の賃上げ 若い社員だけでなく中高年世代の給料を上げられるかが最大のテーマ

日本経済を復活させるには40~50代の給料アップがカギに(イメージ)

日本経済を復活させるには40~50代の給料アップがカギに(イメージ)

 日本経済は長きにわたるデフレ不況に苦しみ、停滞期を過ごしてきた。だが、2023年は違う。年明け早々、大企業の経営トップが相次いで「異次元の賃上げ」を明言しているのだ。

 賃上げが大企業だけでなく全体に広がれば、日本経済の大復活につながる。日本のGDPの6割は個人消費が占めている。消費意欲が旺盛な若い世代の給料が増えるほど消費は伸び、日本経済は成長路線に向かうからだ。

 経済ジャーナリストの森岡英樹氏は、「賃金上昇は現在の悪いインフレから、良いインフレへの転換をもたらす」と語る。

「米国ではインフレになると原材料費や賃金などコスト上昇分の8~9割を商品価格に転嫁できるため、物価が上がれば給料も上がる。良いインフレです。しかし、日本企業はコストが増えると人件費を抑えたり、価格はそのままで内容量を減らすといった“ステルス値上げ”で我慢し、半分程度しか価格転嫁できなかった。これが給料が上がらないのに物価だけ上がる悪いインフレの原因でした。この目詰まりを改めるには、最初に大幅に賃上げして社会の意識を変える“ファーストペンギン”が必要です。

 そして賃上げをする企業が増えれば、人件費をアップした分の商品の値上げが社会で受け入れられやすくなる。そして賃上げ→企業が価格転嫁→物価上昇→生活費が増えて賃上げ要求という経済成長サイクルが回り出せば良いインフレになる。ユニクロやサントリーなどがそのファーストペンギンだと見ています」

 ただし、課題はまだ残っている。雇用や賃金に詳しい人事ジャーナリスト・溝上憲文氏は、日本経済復活のカギを握るのは、消費意欲が大きい子育て世代の「中高年サラリーマン」への賃上げだとみる。

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